子どもの矯正のポイント
乳歯が生え始めてから10年前後を経過して永久歯の咬合が完成します。この間に噛み合せが悪くなった場合、通常では2期に分けた矯正歯科治療をします。
まず、初期治療(早期治療)は3歳~12歳頃までの永久歯の咬合完成前の段階で、良好な噛み合せが形成されるように誘導する咬合発育治療です。この時期は大きな成長発育期にあるので比較的簡単な装置で歯の位置や、顎の骨の位置の改善を行います。
第2に本格治療は永久歯の咬合がほぼ完成し、大きな成長期が過ぎ、厳密に歯を動かしてよい噛み合せを形成するために固定式の装置(マルチブラケット)を使用して矯正を行います。
MFT(口腔筋機能療法)とは
舌や唇の癖を修正し、正しい位置や運動を身につける口腔筋機能訓練法です。乳歯のころから行うのことが有効とされています。
◆舌の筋肉の力を強くする。
◆唇や頬、口の周りの筋肉に力をつける。
◆食べ物の正しい飲み込み方、食べ方を覚える。
◆トレーニングで覚えた舌の位置や唇の状態を保ち、日常の中で正しい飲み込み方を習慣にするこれらのことを目的としています。
子どもの時期に矯正治療をおこなうメリット
1. アゴの成長バランスを整え美しい顔立ちへ
正常な発育を妨げるような歯並びやクセを改善し、アゴや顔の成長バランスを整えます。顔つきやアゴの成長のコントロールは、成長期の子供にしかできない矯正治療です。
2. 永久歯を抜かないで矯正できる可能性が高まる
大人の矯正治療では、歯を正しい位置まで動かすために、邪魔になる歯を抜いてスペースをつくることがあります。しかし、早期治療を行うことで、永久歯を抜くことなく本格矯正ができる可能性が高くなります。
3. コンプレックスを取り除き健やかな精神発育を促す
出っ歯や受け口がコンプレックスとなり、暗い性格になることがあります。可能な限り前歯を矯正して、健やかな精神発育を促します。
4. 永久歯での矯正期間が短くなる
アゴの成長のコントロールをしたり、永久歯が正しい位置に生えるように導くことにより、永久歯になってから行う本格矯正が短期間ですんだり、必要なくなる場合があります。